果鈴版 神話@

これはむかしむかし大むかしの二人の神様のお話です。
鹿児島の笠沙町(かささちょう)というところにある野間岳(のまたけ)という山と、金峰町(きんぽうちょう)というところにある金峰山(きんぽうざん)という山に神様がそれぞれ住んでいました。
二人はとっても仲のいい神様で、よく一緒に釣りをしたり狩をしたりしていました。
ある日二人はささいな事で喧嘩をしてしまいました。
はじめのうちは言い争いでしたが短気な金峰山の神様は、太くて丈夫なススキを一本引っこ抜き矢を作り弓と一緒に隠し持っていました。
そして、野間岳の神様が、話し掛けている最中に突然矢を射掛けてきました。
野間岳の神様はびっくりして、矢をよけようとしましたがよけきれず、左目に矢が刺さってしまいました。
傷口から真っ赤な血がいっぱい流れ出てきました
目の傷は痛いし、腹は立つやらで、どうにも気が治まりません。
野間岳の神様は仕返しをしようと野間岳にある大きな石を金峰山の神様めがけて投げつけました。
石はもの凄いスピードで飛んでいき金峰山の頭に当たり、すってんころりと後ろに飛んで行きました。
頭には大きなコブができ、飛ばされたとき腰や足を思い切りぶつけてしまいました。
それ以来、野間岳のススキの根元は目から流れ落ちた血で染まって赤くなり、そこに住む人々の左目は小さくなってしまいました。
一方、金峰山のふもとに住む人の中には、腰を痛め足が不自由な人が多かったといわれています。
しかし・・この喧嘩の原因はいったい何だったのでしょうかね?

さつま 


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